
はじめに
「もっと深掘って」「聞き出せてないよ」
お客様とのミーティング後、上司や営業からそんなフィードバックを受けたことはありませんか?
ヒアリングが浅くなってしまう原因の多くは、“場当たり的な質問”に頼ってしまっていることです。
本記事では、ヒアリング前に設計すべきポイントと、再現性あるヒアリングの基本フレームを、図や表を使ってわかりやすく解説します。
1. なぜ、ヒアリングは“浅くなる”のか?
多くの人がヒアリングで失敗するのは、準備不足による**「とりあえず聞く」状態**に陥るからです。
よくあるNGパターン
NGパターン | 説明 | 起こりがちな結果 |
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「何か困ってますか?」だけ聞く | 相手任せの質問 | 表面的な回答しか得られない |
課題の種類を想定していない | 想定ゼロで臨む | 会話が拡散して焦点が定まらない |
質問が羅列型 | 一問一答形式になる | 話が深掘れず本質にたどり着けない |
2. ヒアリング設計の3ステップ
ヒアリングの精度は、「設計=準備」で8割決まります。
以下の3ステップで、事前準備を整えましょう。
ステップ①:仮説を立てる
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事前資料や業界動向、過去案件から仮説を持っておく
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「おそらくこういう悩みがあるのでは?」という課題仮説を設定
ステップ②:ゴールを決める
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このミーティングで何がわかればOKかを明確に
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例:「購買意思決定者の情報」「現在の運用フローの課題」など
ステップ③:質問設計をする
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仮説を掘り下げるための「一次質問」と「二次質問」を設計
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「今どうなっているか」→「なぜそうなっているか」→「何に困っているか」の順で聞ける流れを考える
3. 深堀りできる質問の型を使いこなす
質問は“型”を知っておくことで、深堀りの再現性が上がります。
以下に、使える代表的なフレームを紹介します。
フレーム①:5Why
課題に対して「なぜ?」を5回繰り返すことで本質に迫る
例:
「業務が非効率で困っている」
→なぜ?「Excelで管理している」
→なぜ?「システム導入していない」…(以下略)
フレーム②:F-B-T(Fact-Background-Trouble)
状況(Fact)→背景(Background)→困っていること(Trouble)の順に整理する質問
フレーム③:4つの課題領域
課題領域 | 質問例 |
---|---|
業務 | 今の業務で時間がかかっているところは? |
組織 | チーム内の情報共有で困っていることは? |
顧客 | お客様からの声で課題と感じていることは? |
システム | 現在の仕組みで不便な点は? |
4. day0でできる“ヒアリング力”のリスキリング
ヒアリング設計は、スポーツのように「型」を学び、実戦で使って、振り返ることで強くなれます。
day0では、下記のような1:1支援を通じて、ヒアリング力の再現性を高めるお手伝いをしています。
サポート内容
サポート内容 | 目的 | 活用場面 |
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ヒアリング設計の練習 | ゴール・仮説・質問構成を一緒に設計 | 商談前の準備段階 |
ロールプレイ形式の練習 | 深堀り質問を実践で練習 | ミーティングの場数を積む |
商談後の振り返り | どこが浅かったか・なぜ掘れなかったかを振り返る | スキルの定着と成長 |
まとめ:ヒアリングは「構造化」で深くなる
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ヒアリングの失敗は、「聞き方」以前に「設計」が不十分な場合が多い
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仮説・ゴール・質問の3ステップで準備すれば、会話の精度は大きく変わる
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型を使えば、再現性あるヒアリングができるようになる