
はじめに:技術力があるのに、評価されない違和感
「技術的には正しい説明をしたのに、なぜか伝わらなかった」
「資料を作り込んだけど、上司やクライアントの反応が薄い…」
こんな経験、ありませんか?
技術職であるSE、PM、エンジニアにとって、「分かりやすく伝える力」は一見、後回しにされがちです。
しかし、専門知識がある人ほど、伝え方に課題を感じているのが現実です。
1. 「伝わらないプレゼン」に共通する3つの罠
技術者がやりがちな「伝わらないプレゼン」には、共通する落とし穴があります。
❌ 罠1:専門用語を“前提”にしている
→ 相手は文脈を知らない。略語や業界用語は解説を添える。
❌ 罠2:順を追って話しすぎる
→ 技術的には正しいが、結論が最後すぎて聞き手が離脱する。
❌ 罠3:伝えたいことが多すぎる
→ 一度のプレゼンで全部は伝わらない。目的に合わせて削る勇気が必要。
比較軸 | 伝わらないプレゼン | 伝わるプレゼン |
---|---|---|
出だし | 技術背景から丁寧に説明 | 最初に結論を提示 |
用語 | 専門用語だらけ | 相手の知識に合わせて説明 |
情報量 | とにかく詰め込む | 一番伝えたい軸に絞る |
2. “伝わる構成”の黄金ルール「PREP+技術変換」
🔹 PREPとは?
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Point(結論)
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Reason(理由)
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Example(具体例)
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Point(再主張)
技術者の話を聞く相手は「経営者」や「営業」など、“技術ではなく、ビジネス効果が気になる”人たちが多い。
だからこそ、「PREP構成」+「技術をビジネス語に変換」する意識が必要です。
技術用語 | ビジネスへの変換例 |
---|---|
システム冗長化 | サービス停止リスクの軽減 |
自動テスト環境 | 品質と工数削減の両立 |
フロントエンド最適化 | ユーザー体験の改善でCVR向上 |
3. 技術職向けプレゼン資料の型
伝わるプレゼン資料には“型”があります。
📘 基本構成(5ページ構成例)
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目的/背景(なぜこの話をするのか)
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結論/提案内容(どうしたいのか)
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理由・根拠(なぜその提案なのか)
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具体策(何をどう進めるか)
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効果・まとめ(どう良くなるか)
この流れを守るだけで、聞き手が“構造”として理解しやすくなります。
4. ビジュアル・図解で変わる伝わり方
技術的な内容ほど、図での表現が効果的です。
たとえば「処理フロー」「データ構造」「Before / After」などは、言葉よりも図で伝える方が速い。
💡 図で伝えるコツ
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1スライド=1メッセージ
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矢印・色・グルーピングで関係性を可視化
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タイトルを「文章」でつける(例:導入後、作業時間が半減)
5. まとめ:伝える力もまた、技術である
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技術を「分かる」だけでなく、「伝える」ことで価値が伝わる
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PREP構成 × ビジネス翻訳で“伝わる”資料に
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図や構成の工夫で、内容の本質が届くようになる
伝える力は**センスではなく“訓練できる技術”**です。