
はじめに:上司との“相性の悪さ”は、避けられないもの?
「上司が何を考えているのか分からない」
「フィードバックが曖昧で、評価も理不尽に感じる」
「そもそも人として合わない気がする…」
職場の人間関係で最も多く挙げられる悩みのひとつが、「上司とうまくいかない」というものです。
ですが、相性の問題にしてしまう前に──
“仕事の土台”を見直すことで関係性が変わることも、意外と多いのです。
今回は、上司との関係に悩んだときに最初に確認すべき3つのポイントについて解説していきます。
1.「ゴールのすり合わせ」ができていない
● “自分の視点”だけで動いていませんか?
上司と噛み合わない原因で最も多いのが、「業務の目的(=ゴール)への認識ズレ」です。
たとえば、以下のような認識違いは要注意。
項目 | 自分の認識 | 上司の期待 |
---|---|---|
資料作成 | 丁寧で分かりやすい資料 | 要点だけを簡潔に |
進め方 | 一人で完成させる | 途中でも共有して相談 |
目指す成果 | 正確な分析結果 | 次の意思決定に使える材料 |
Point:業務のスタート時に、「この仕事の目的は何ですか?」と上司に聞く習慣があるだけで、かなり改善します。
2.報連相が“タイミング”で損している
● 頻度ではなく、“意図とタイミング”が大事
「こまめに報告しているのに、上司が不満そう」
という人に多いのが、“タイミングのズレ”。
上司は「先回りしてほしい」と感じているのに、部下は「進捗報告だけしている」ケースです。
【表1:報連相のタイミングと効果】
シーン | 部下が報告した内容 | 上司の印象 | 改善ポイント |
---|---|---|---|
完成後に報告 | もうすぐ完成です! | もっと早く共有してほしい | 途中段階でも共有する |
問題発生後 | 実はトラブルが… | なんで今言うの? | 違和感を感じた時点で共有 |
進め方相談なし | 自分で進めてみました | 方向性が違う… | 進める前に方針確認 |
Point:上司が「何に対して不安を感じる人か」を見極めて、その前段で情報共有するのが信頼構築の鍵です。
3.「伝え方」が“受け手仕様”になっていない
● 相手の“理解しやすい型”で伝えていますか?
うまく伝えたつもりでも、上司から「で、何が言いたいの?」と返された経験はありませんか?
伝え方でありがちなのは、自分の思考順に話してしまうパターンです。
P(結論)→ R(理由)→ E(具体例)→ P(再結論) の順で話すだけで、伝わり方が劇的に変わります。
たとえば──
「〇〇の施策は中止した方が良いと思います。
なぜなら、現在のデータでは効果が薄いことが見えてきたからです。
実際、CTRは3週連続で3%未満に下がっています。
よって、別案に切り替える判断が妥当だと考えています。」
このように「上司が処理しやすい形式」に変換することが、関係性を良くする第一歩です。
まとめ:「性格の問題」ではなく、「すれ違いの構造」に気づくこと
上司とうまくいかない原因は、感情や性格の問題のように見えて、
実は**「仕事のコミュニケーション構造」のズレ**が大きく影響しています。
今日から見直せる3つのポイント:
-
ゴールの認識を揃える
-
報連相のタイミングを設計する
-
伝え方を“受け手仕様”に変える
これらを実践するだけで、上司との信頼関係が大きく変わる可能性があります。