
はじめに:なぜ「指示待ち」になってしまうのか?
社会に出たばかりの新卒や、転職直後の方が最もよく直面する悩みの一つが「指示待ちの自分をどう変えるか」です。
「もっと自分から動いて」と言われても、何から始めればいいのか分からない——そんな声は非常に多いです。
「指示待ち」になりやすい人の特徴:
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ミスを恐れてしまう
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役割やゴールが不明確な環境に弱い
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これまでの教育で“正解”を求めてきた
では、どうすれば「自分で考え、動ける人」になれるのでしょうか?
STEP1:指示の“意図”を考えるクセをつける
■ 単なる作業指示を「問い」に変換する
例えば上司に「この資料、明日の会議用にまとめておいて」と言われたとします。
ここで「言われた通りに作る」だけでなく、**なぜこの資料が必要なのか?どの場面で使われるのか?**を考えるクセをつけましょう。
▼参考表:意図を考えるためのフレーム
質問の切り口 | 具体例 |
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目的は? | どの意思決定をサポートするのか? |
誰が使う? | 会議の誰が、どの立場で使うのか? |
どの場面で使う? | プレゼン?意思決定?合意形成? |
こうした問いを自分で立てることで、与えられたタスクの背景が見え、自走の第一歩を踏み出せます。
STEP2:「ゴールベース」で物事を捉える練習
■ 「やること」ではなく「どうなれば成功か」で考える
上司からの指示やタスクは、時にあいまいです。
そんな時、「このタスクのゴール(成功状態)って何だろう?」を自分なりに仮置きして考えることが大切です。
タスク分解図
例:
タスク:アンケート結果の集計
ゴール:次回施策の改善案に活かせる「気づき」を抽出する
成功条件:部内で共有された際に議論が活性化するアウトプット
アクション:単なる数値だけでなく、傾向・仮説コメントをつける
このように「言われたこと」よりも「求められている状態」から逆算する力が、ビジネスでは非常に重宝されます。
STEP3:考える力を「アウトプット」に乗せてみる
■ 小さくても“提案”してみることが第一歩
「こうした方がいいのでは?」と感じたことがあれば、まずはメモやSlack、ミーティングで発言してみましょう。
最初は小さな改善案でOKです。
提案の型(テンプレート)
小さな提案を積み重ねていくことで、「この人は自分で考えて動ける人だ」という印象が定着します。
よくあるQ&A:「考えろ」と言われても何をすればいいか分からない時
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Q1:考えて動けと言われても、判断材料が足りないです
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A:そういう時こそ「何が分かっていて、何が分からないのか」を可視化しましょう。情報のギャップを整理して上司に確認するのも立派な自走です。
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Q2:勝手に動いて怒られそうで不安です
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A:「確認しながら進める」のも自走の形。仮説を立てて「この方向で進めようと思うのですが」と相談すれば、むしろ評価されます。
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まとめ:自走力は“鍛えられるスキル”です
「指示待ち」から抜け出すには、特別な才能はいりません。
必要なのは、「背景を考えるクセ」「ゴールから逆算する思考」「小さな提案の実行力」です。
この3つを意識的に鍛えることで、どんな現場でも通用する「考えて動ける人材」へと近づくことができます。