
はじめに:技術力があっても、“伝わらない”のはなぜか?
ソリューションエンジニアとして「プロダクトの魅力を十分に伝えたつもりなのに、顧客の反応が薄い」「デモの途中で商談の熱が冷めてしまった」…そんな経験はありませんか?
実は多くのSEが、「技術的な正確さ」と「ビジネスインパクトの伝達」の間で悩んでいます。本記事では、デモが刺さらない根本原因と、ストーリーとして伝える技術を解説します。
なぜデモは刺さらないのか?よくある3つの落とし穴
1. 「機能」だけを見せてしまう
→ 相手は“未来の姿”を知りたい
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機能の羅列だけでは「で、何が変わるの?」という印象になりがち
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顧客が知りたいのは、**「自分たちの業務や成果にどう影響するのか」**という視点
2. 顧客の“温度感”を無視したデモ構成
→ 導入フェーズによって見せるべき内容は変わる
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初回提案:概念的な理解/実績/Before-After
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技術検証段階:機能の深掘り/ユースケースベースのデモ
3. ストーリー設計が弱い
→ 技術が正しくても、流れが悪ければ伝わらない
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説明順序が悪いと、話の意図がぼやけてしまう
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構成に“起承転結”や“問題提起→解決”の流れがないと、記憶に残りにくい
項目 | 刺さらないデモ | 刺さるデモ |
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主体 | プロダクト起点 | 顧客課題・文脈起点 |
見せ方 | 機能を一通り紹介 | ストーリーに沿って使い方を紹介 |
想定ユーザー | 一般的な業務ユーザー | 顧客企業のペルソナを仮定 |
話し方 | 製品仕様を淡々と説明 | 共感から入り、変化を提示 |
顧客に刺さる“デモストーリー”の作り方
Step1:ペルソナを明確にする
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「誰の、どんな業務が、どう変わるか?」を1人称視点で描く
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例:「営業部の◯◯さんは、毎月のレポート作成に8時間かけている」
Step2:ストーリーフレームを設計する
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課題提起 → 現状の困りごと → 解決提案 → ビフォーアフター
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映画のように、「主人公」「困難」「変化」の構成で臨場感を出す
ステップ | 内容例 |
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①課題の共有 | 「今の業務では、週10時間が非効率に使われています」 |
②既存プロセス紹介 | Excel手作業、情報がバラバラ |
③新プロセス提示 | データが自動連携、1クリックで集計完了 |
④効果の可視化 | 「年間480時間の工数削減」 |
Step3:体験価値を見せる
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顧客自身が「これ、うちでも使えそう!」と思える瞬間を作る
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「こんなこと、できます」ではなく「あなたにも起こる未来」を想像させる
応用編:商談ステージに応じた見せ方の変化
商談フェーズ | 伝えるべき要素 | 適したデモ内容 |
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初回接触 | なぜ今導入すべきか(Why) | 概念・ビジョン、他社事例 |
技術検討フェーズ | どうやって実現するか(How) | 実機デモ・ユースケース中心 |
予算化・導入前 | どんな効果があるのか(What) | ROI計算・定量的効果 |
まとめ:技術だけでなく、「伝える力」もSEの武器になる
「良いデモ」は単なる説明ではなく、顧客に未来をイメージさせる“共感”と“変化”の物語です。
SEは“営業の裏方”にとどまらず、提案の主役にもなれます。
📌 ポイントのおさらい
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デモは“相手のストーリー”で語る
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フェーズ別にデモ内容を最適化する
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技術×伝える力の掛け算で、商談は変わる
あなたのデモ、もっと刺さるようにしませんか?
day0では、提案書の構成設計、ヒアリングの設計、デモの事前準備からフィードバックまで、1:1の伴走支援を行っています。
今より一歩、説得力のあるSEへ——その第一歩を、一緒に踏み出しましょう。